奥能登の星空を見たことがあるだろうか。
新月の晴れた夜、奥能登では肉眼で天の川が見える。
息をのむほど美しい、そんな静かな絶景を舞台にした作品が「君は放課後インソムニア」。
主人公の2人の軌跡を追いかけて、奥能登の名スポットを旅してみよう。
今回は冨士交通のバスツアーを利用し、1泊2日で「君ソム」の舞台を巡った。
「君は放課後インソムニア」

2019年〜2023年、ビッグコミックスピリッツにて連載されたオジロマコト作の漫画作品。アニメ化・映画化され、話題を呼んだ。
舞台は七尾市で、七尾市内をはじめ石川県内各地の実在するスポットやお店などが数多く登場する。
あらすじ
不眠症の高校生・中見丸太(なかみがんた)は、同じく夜眠れずに学校の天文台で昼寝していた曲伊咲(まがりいさき)と出会う。
2人は天文部として活動することになり、天体観測や星空の撮影に熱中していく。
能登の絶景を舞台に、少しずつ距離を縮めていく青春ラブストーリー。
©オジロマコト・小学館/アニメ「君ソム」製作委員会
1日目
10:00 金沢駅出発
バスでのと里山海道を北上し、まずは七尾へ。道中、千里浜なぎさドライブウェイで波打ち際を走る。冬は天気が荒れやすいので、砂浜を走行できた日はラッキーだ。作中では、丸太と伊咲が臨海学校で千里浜を訪れ、海岸で眠れない夜を共に過ごしていた。さっそく現れた「聖地」に、胸が高鳴る。


12:00 お好み焼き 平野屋
七尾に到着し、まずは「平野屋」で腹ごしらえだ。
平野屋は、伊咲の友人である蟹川(かにかわ)の実家という設定で登場する。



名物メニューは、とろろがたっぷりのった「白雪姫」。
お好み焼きは、店員さんが焼いて運んできてくれるスタイルだ。
作中でも、蟹川が「お待たせ!白雪姫スペシャルです」と運んでくる。
ぷりぷりの食感がたまらない看板メニュー「特製ホルモン焼きそば」も、ぜひ食べたいところだ。



13:30 能登食祭市場
平野屋でお腹を満たしたあとは、能登食祭市場を散策。



能登食祭市場は、花火大会の会場や、丸太の幼馴染・受川(うけがわ)のアルバイト先としても頻繁に登場した。
受川が「練習で焼かせてもらった」というホタテとゲソの串焼きを、伊咲がおいしそうに食べるシーンを思い出す。


お腹がいっぱいのはずなのに、浜焼きの匂いに釣られてついつい串焼きを1本いただいてしまった。
15:00 ホテル着 七尾市街地散策
能登食祭市場からは、御祓川(みそぎがわ)沿いを歩いてホテルまで行くルートもおすすめだ。
七尾の市街地に入ると、いたるところに作中の場面が思い出される風景がある。


食祭市場前の横断歩道、御祓川に掛かる橋、七尾駅前の赤い公衆電話に踏切。
甘酸っぱい物語を思い返しながら、1日目のツアーは終了。夕食後、天気が良ければぜひ星空を見上げたいところだ。
2日目
7:20 ホテルを出発
ツアー2日目は、奥能登を巡る。
丸太と伊咲が夏休みに星空撮影のための合宿で訪れたコースを辿りながら、昼食は「トップワン」の特製弁当だ。
丸太たちが、天文部顧問の倉敷先生の奢りで食べたハンバーグも入っている。
弁当をゲットしたら、奥能登へと進む。

10:30 禄剛崎灯台
「内浦」の七尾から、山を越え海に出ると「外浦」と呼ばれる。
道中、白米千枚田に立ち寄りつつ、内浦と外浦の中間地点である能登最北端の地・禄剛崎灯台に到着。



灯台は小高い山の上にあり、380mといえども急勾配でなかなか息が上がる。
しかし、登りきった先に待つ白亜の灯台の見事な佇まいに、思わず笑顔になる。
11:30 見附島


丸太と伊咲の夏合宿の「始まりの島」。
言わずと知れた能登ランドマークだが、君ソムを通して見るとわくわくする冒険の地のように見えるから不思議だ。
思わずじっくり「ロケハン」したくなる気持ちを抑えて、次の目的地へ。


12:30 恋路海岸
穏やかな内浦の海に浮かぶ、赤い鳥居と弁天島。
恋路海岸も、夜になると満点の星空に包まれる奥能登の名スポットだ。




13:00 真脇遺跡
物語のクライマックスは、真脇遺跡の環状木柱列(かんじょうもくちゅうれつ)。
縄文時代の謎の遺跡として残る神秘的な風景の中、丸太は勇気ある行動に出る。
広い草原の中、青春物語にしみじみと浸れる場所だ。




君ソム聖地巡礼ツアーもそろそろ終盤。
金沢方面へと向かいながらも、まだまだ見逃せない場所がある。
14:00 深浦白山社(ふかうらはくさんしゃ)

物語の印象的なスポットとして登場する、深浦白山社を車窓から見学。
伊咲のおばあちゃんの家のすぐそばという設定で、「なーんにない場所」と作中では語られるが、能登の穏やかな海辺の風景が広がる美しい場所だ。
15:00 ゲームセンターベティ
ツアーの締めくくりは、忘れてはいけないこの場所。
物語のキーマンであり、天文部の先輩として登場する白丸(しろまる)先輩が店長を務めるゲームセンターだ。


そっくりそのまま実在することに驚いた人も多いだろう。車窓から思いを馳せ、帰路につく。
17:40 金沢駅到着
見慣れた観光地も、すべてが新鮮に映るツアーだった。
君ソムという作品が新たな物語と視点を与えてくれる。
つい欲張ってしまいがちな聖地巡礼だが、バスツアーならではの快適さやガイドさんの話もありがたい。
ぜひ作品と合わせて楽しんではいかがだろうか。

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