味の水の家 (加賀市曽宇町)
北陸の冬は、いつもとびっきりの旬を運んでくる。蟹、ノドグロ、ブリ、タラ、牡蠣…どれも悪くはないが、加賀の冬の風物詩「鴨」を忘れてはいけない。地元加賀に、江戸時代から伝わる坂網猟で捕れた天然の鴨。飼育されたカモと違って餌づけされておらず、落穂や穀類などを主食としているだけに、肉と脂のバランスが良く、独特の旨味がある。
天然の鴨を食べさせる店は、加賀市内でもわずか数軒しかない。その一つ、加賀市曽宇町の集落の中にひっそり佇むのが「味の水の家」だ。周囲は深い緑に囲まれ、田畑や民家が点在する一角に、ひょっこり顔を出す。建物は店舗と自宅を兼ねており、暖簾が出ていないとまず気づかない。まさに知る人ぞ知る、隠れ家風の店なのだ。
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